2024/04/16

【くろがね線を読み解く】第300回記念■ダブルK地区の高炉休止迫る

  5年前の連載200回記念記事で言及した、2020年度末のK製鉄所(旧Y製鉄所)K地区高炉休止が、いよいよ迫っている。当初案で年度末(2021年3月)だった休止計画も、世界市場での鉄鋼製品の需給バランスや、新型コロナウィルス感染拡大による経済的ダメージの影響により変更を余儀なくされ、前倒しで来月2020年7月に休止することが、既に発表されている。


K地区で製銑・製鋼(および連鋳)工程が止まっても、後工程の圧延工程は残るため、岩壁への製品移送に鉄道を使用し続けるのであれば、機関車がすべて無くなるとは考えにくい。が、多くの機関車が運用を失うことは避けられないだろう。老朽機関車はそのまま廃車、一部の新型や機関換装済み機関車については、他地区への転用も想定される。上のD306・D307を含め、かつて旧住金時代のクリーム色+マルーン塗装であった機関車も、ほとんど(おそらく廃車が確定しているもの以外すべて)が、
既にY製鉄所標準塗装に変更済みである。

(この場所については、以前の記事の注意点を参照のこと)



高炉休止が決定しているのは、K製鉄所K地区だけではない。S製鉄所K地区も二基ある高炉のうちの最後の一基、第一高炉を2021年9月末をめどに休止する予定である。第二高炉は2020年2月15日をもって、既に休止している。

K製鉄所は、元々ステンレス鋼を主体とする特殊鋼の生産拠点であったが、同業他社のN金属工業との合併を経てN社の連結子会社となり、2020年4月の製鉄所統廃合でS製鉄所K地区になった経緯がある。2019年夏の台風15号の猛威により、二つある製鋼工場のうちの一つが損傷し、復旧におよそ10か月を要するとの報道があったが、K製鉄所K地区同様、世界的な情勢変化により、復旧を待たずに製銑工程が休止することになる。機関車2両(写真はDB403・DB406)が並ぶ光景も、いよいよ見納めとなるのだろうか。

(撮影場所は、社有の駐車場ではありません。ご注意を)

二つのK地区の高炉休止後の構内鉄道の動向については、今後も注意が必要である。

記事作成2020年6月25日

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