新型コロナワクチンの2回目接種と、それに伴う副反応も落ち着き、夏に向けて計画を練り直している今日この頃です。副反応が出ている間は発熱と頭痛で満足に動くこともできないと予想しており、またどのくらい続くのか予測できなかったので、8月中旬まで全く予定を入れていませんでした(苦笑) 幸い、接種当日と副反応の日(接種2回目は最大2日間)は特別休暇が付与されるため、接種日に終わってから少しレンズテストをしてきました(接種24時間後までは倦怠感くらいしか出ませんので大丈夫。その後は体温が38℃まで上がりますが…)。
持参したのは以下の構成です。
- Nikon Z 50
- NIKKOR Z 50mm f/1.8 S
- NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
- Z TELECONVERTER TC-2.0x
鉄道撮影では、望遠側を稼ぐためにボディはDXフォーマット(APS-C)のミラーレスを使用しています。秒間11連写、動体トラッキング(ターゲット追尾)機能があり、拡張ISO感度204800で暗所にも強いのが決め手になり1年以上前に購入しました。Zシリーズ(ミラーレス用)レンズは、2020年内に発売予定だった超望遠が発売延期になっており、これまではFマウントの AF-S 200-500mm f/5.6G ED VR などをマウントアダプター FTZ を介して使用していたのですが、今秋の呉製鉄所構内鉄道廃止に間に合わせるため、大三元望遠ズームに2倍テレコンを組み合わせて対応することにしました(開放は2段落ちて f/5.6 通し)。この構成なら、35mm判換算210-600mmとなり、呉を狙える焦点距離になります。
まずは70-200をテレコン無しでテスト。西浦和ではこちらEH200-1牽引の8764レ。
1/1250、f/5、ISO400、35mm判換算202mm
倉賀野発東京タ行きの石油貨物列車(返空)ですが、タンク車は川崎貨物で切り離し、機関車次位のコンテナ車は終点東京タまで回送される車両でしょうね。
続いてテレコンを試すために武蔵野西線へ移動。EF210-3牽引の4091レ。根岸から宇都宮タへ向かう石油貨物列車。
1/800、f/8、ISO400、35mm判換算390mm
高級レンズも入門用レンズも、画面全体の解像感がピークになるのはだいたいf/8~11あたりです。この場面では、テレコンによる解像感の劣化がどのくらいなのかを確認するため、解像感重視の設定で撮影しましたが、その性能に驚愕。テレコンを付けないときの解像感そのまま2倍ズームになってくれるので、まったくストレスなく使用できました。これまでFマウント用の2倍テレコンを何度も使用してきましたが、撮影画像を等倍表示すると、どうしても微かな滲み、ぼやけ感は否めませんでしたので、とても嬉しいです。
連続でEH200-9牽引の2080レ。南松本から中央東線・武蔵野線経由で京葉臨海鉄道へ向かう石油貨物列車(返空)。
1/800、f/8、ISO400、35mm判換算360mm
テレ端は600mmのため、制限速度の標識の奥側だけで編成写真を撮ることもできるのですが、右奥にいる元209系訓練車が映り込んでしまうのと、背後の陸橋が目立ってくるので、止めました。
北府中へ行くと、近江鉄道で廃車になったED313が東芝構内に留置されていました。テレ端600mm
奥には10tスイッチャー、手前にはEF65形535号機が留置されていました。そのうち何か動きがあると面白いですね。
戻って東浦和でE231系0番台MU8編成。
1/1000、f/8、ISO400、35mm判換算450mmステンレス車体の銀色の反射具合もなかなか良い感じに写りました。
続いて、鹿島臨海鉄道から新小岩・新金線・常磐線経由でやってくる、EF210-162牽引の1094レ。
1/640、f/8、ISO400、35mm判換算405mmTRANCYの白いコンテナは、かつてコキ100系列に積載されていましたが、2020年12月以降はコキ200形に変わりました。これは、2020年5月をもって福岡県大牟田市の三井化学専用鉄道が廃止になり、その余剰車を関東に持ってきて使用しているためのようです。もともとコキ200形は鹿島臨海鉄道と縁の深い貨車で、同型のコキ2000形という鹿島臨海鉄道に車籍のある貨車もありました。また2001年~2011年3月までは、鹿島臨海鉄道奥野谷浜駅~関西本線塩浜駅の間で酸化エチレンもコキ200形で輸送されていました。(→詳細はこちら)
続いて、EH200-13牽引の隅田川発北長野行き89レ。
1/1000、f/8、ISO320、35mm判換算405mmこの列車、十数年前まではEF64形0番台重連で、その後1000番台重連に変わり、現在はEH200形です。数年前までは日曜日は越谷タ止まりで、牽引機もその日だけEF64形でしたが、現在は日曜でも北長野行きです。平日でもこのようにコンテナの乗りが悪く短編成の場合があるいっぽう、日曜でも長編成で満載に近いこともあり、写真映えは運次第です。
反対側に移動して、倉賀野発京葉臨海行きのEF65形2063号機牽引の8866レ。
1/640、f/8、ISO640、35mm判換算600mm
Z 70-200mm f/2.8 VR S を手持ちで鉄道撮影する場合、手振れ補正はNORMALモードで問題なく使用できますが、2テレ装着時はSPORTSモードにした方がAFの精度は格段に上がりました。実際に撮影した限りでは、2テレ装着時にAF-CでNORMALだと3枚に1枚くらいの頻度でピントが甘かったです。SPORTSモードなら百発百中といった感じでした。もちろんSPORTSモードの方が電池の消耗が早くなります。
引いてもう1枚。この列車は、AF-C、AFエリアモードオートエリアにして、ターゲット追尾を使用しました。ターゲット追尾機能はコントラストAFを使用しているので、トラッキングのスクエアをコントラストの大きく変わる部分を跨ぐように当てると精度が格段に上がります。この機関車は、前面貫通扉のど真ん中の少し左寄り、コンテナブルーとライトグレーと運転台の暗い窓の3色を跨ぐように当てて撮りました。Nikon Zシリーズでの鉄道撮影のノウハウは、CP+2021で鉄道写真家の助川康史さんが詳しく解説しているので、参考になりますね。(→Nikon公式Youbueチャンネルの該当プレゼンはこちら)
10分後にやってきたEF65形2127号機牽引の77レ。広島更新色(通称:カラシ色)の最後の1両ですね。何度も撮っていますが、最近はこれかしら。
1/640、f/8、ISO640、35mm判換算525mm
引いてもう1枚。
越谷タで入換している間に後続列車で先回りして、夕焼けバックに。ここで77レを撮るなら9月頃が一番良いです。(→過去写真)
1/640、f/8、ISO640、35mm判換算217mm
こちらはテレコンを外し、AF-C+ワイドエリアAF(S)で撮影。画角のなかでピントを合わせたいポイントがそれほど大きく変わらない被写体の場合は、こちらでも良いですね。NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S は、レンズ正面からの光・サイドから入ってくる光によるフレアやゴーストを発生させないためのコーティング(アルネオコート、ナノクリスタルコート)が施されており、ド逆光で画角に太陽が入っても躊躇なく撮ることができます。こういったシチュエーションは鉄道撮影ではあまりないですが、ポートレートでは定番ですね。
77レは馬橋(旧馬橋貨物駅の場所にある待避線)で28分停車するため、後続列車に乗り新松戸で常磐緩行線に乗り換えると、更にもう1回撮ることができます。日の長い夏至前後の各々1か月間のみ撮影可能です。
1/2000、f/2.8、ISO640、35mm判換算75mm
暗いのでレンズを単焦点の Z 50mm f/1.8 S に変更し、亀有駅名物のイトーヨーカドーバックで。松戸~北千住間はトップスピードでやってっくるので、シャッタースピードは妥協せず、F値を明るめにして、AF-C+AFエリアモードオートエリア(ターゲット追尾)で撮影。秒間11コマのすべての写真でナンバープレートにピントがドンピシャで合いました。必要なのは、手振れしないようにしっかり構えてトラッキングポイントに機関車の先頭が来たらシャッターを半押しして、適当にシャッターボタンをフレームアウトするまで押し続け、あとはセレクトするだけです。簡単ですね。
70-200をテレコン有り無しで試し撮りし、ひとまず性能には満足しました。今夏はこれで乗り切りますが、はやく超望遠ズームをリリースしてほしいですね。
記事作成2021年8月2日
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